Interview with MINO-K

2019.05

Artist 三野計 愚人だらけ

三野 計 「元号も令和に変わったし、今年は個展を3回開催します」

10年ぶりに三野 計の愚人たちが動き出す。今までの沈黙に堰を切ったように、6月「化石シリーズ 消えた風景展」、7月「三野 計 愚図展」、そして10月に本丸とする「ミノのビーナス展」を愛媛県美術館で開催する。空白の10年、三野 計に何があったのか。そして、今年再起動したきっかけは。その裏側を紐解くため、愛媛のアトリエ兼ご自宅を訪ね、おうかがいした。

─ 10年間、個展をしなかった理由は何ですか?
2年前に脳梗塞を患い病床にいましたので、多くの方が病気が原因だと思っていたかもしれません。しかし、そうではありません。個展に出品しようとした作品、「かけあがる」が完成した1週間後、東日本大震災が起こりました。その作品は、震災の悲惨な情景と重なって見えました。「自分はこんな作品を作ってていいのだろうか?」と悩み、そして、絶望し、制作意欲も失っていきました。それからしばらくは、制作というよりも、ただひたすら写経をするように、愚人を祈りのかたちに変えて描いていきました。作品は増えていきましたが、作品を発表する気持ちには到底なれませんでした。
─ そこから立ち直ったきっかけは何だったのですか?
しばらくは茫然自失した毎日でしたが、そのうち震災に遭われた方のために自分にできることは何かと考え、100万を目標にチャリティー募金を集める活動をしました。今までの作品をチャリティーオークションに出品したりして…。一番売れたのは耳かきでしたけど(笑)。竹でつくる手作りの耳かきには定評があるんです。そんなこんなで震災から1年後、100万まではいきませんでしたが95万くらいになったので、直接被災地へ寄付を届けに行きました。その際に、持参した作品を通じて地元の人たちと触れ合える機会をいただきました。そのことが、自己満足ではありますが、後ろ向きだった自分の気持ちに終止符を打つきっかけとなりました。
─ もうお身体は大丈夫ですか?
おかげさまで元のようにとはいきませんが、大丈夫です。今年は個展を久しぶりに開催するので気持ちも高まってきて、元気いっぱいです。ここ数年は新しい技法にも挑戦してきました。今までと違う作品もあるので、初めて三野 計の作品を見ていただく方はもちろんのこと、今回ご心配をかけた皆さんにも元気な姿を見ていただくとともに、新しい三野 計の作品を見て感想をいただけたら嬉しいです。
─ それぞれの個展への意気込みを教えてください。
6月と7月の個展はミノのビーナス展の前章のようなもので、小規模なものです。長い間作りためてきた作品を改めて見直してみると、ダメなものもたくさんありましたが、中には満足できるものもあって、この作品たちが報われるような個展をしたいなと思いました。愚図展は二部構成で、前期と後期で作品をガラッと入れ替えるつもりです。
ミノのビーナス展はずっと前からやりたかったことで、見て触って楽しめる参加型の展覧会です。期間は2週間ですが、毎日作品が変動するおもしろい仕掛けにしているので、何度でも見に来てほしいです。3回来場すると展示作品を1つプレゼントも用意してます。2週間後どうなるのか、私自身もわかりませんが、みなさんと一緒に楽しみたいです。
さらに詳しく知りたい方は動画をご覧ください。

ミノのビーナス展 展示会終了報告

環境問題がテーマの参加型アート作品は無事完了し、愚人の川は浄化されました。展示会終了報告

三野 計インタビュー動画

三野 計といえば愚人。技法は変えども40年以上も愚人を描き続ける理由(4:43)

「化石シリーズ 消えた風景展」について
(3:19)

3回個展を開催する理由(3:52)

ノーカットのロングインタビューです。ミノのビーナス展を開催するに至るまでの経緯などをお聞きしました。
お時間のある方はどうぞ(19:15)

PROFILE

三野 計(みの けい)